無形文化遺産でつながる
アジアの芸能

 組踊とは

組踊は、沖縄の伝統的な歌舞劇です。
台詞・音楽・所作によって構成され、琉球古典語、琉球音楽、琉球舞踊を用いるのが特徴です。

18世紀初頭、中国皇帝の使者である冊封使を歓待するため、踊奉行に任命された琉球の役人・玉城朝薫によって創始されました。
琉球古来の芸能や故事を基礎に、大和芸能や中国芸能の要素も取り入れながら構成されています。

1972年に国の重要無形文化財に指定され、2010年にはユネスコ無形文化遺産代表一覧に記載されました。

 

 

演目紹介「二童敵討」

「二童敵討」は、1719年の冊封の際に初演されました。作者はその時の踊奉行・玉城朝薫です。1458年に起こった内乱事件「護佐丸・阿麻和利の乱」をもとに、独自の物語が描かれています。

勝連城主のあまおへは、天下取りの野望のため邪魔者であった護佐丸に逆賊の汚名を着せて、滅ぼします。敵の一族郎党まで根絶やしにしたと、すっかり安心していますが、護佐丸の子である兄・鶴松と弟・亀千代は、落城のさ中に逃げおおせていました。二人はあまおへが野遊びをすると聞きつけ、母親に敵討ちの許しを乞います。母は二人に父の形見の短刀を授け、つらい気持ちをこらえて送り出します。

あまおへ一行が酒盛りをしているところに、鶴松と亀千代は踊り子になりすまして近づきます。兄弟二人は、踊りを見せ、酒を注いであまおへを酔わせていきます。そして隙をうかがい、首尾よく父・護佐丸の仇を討ち果たすのでした。