無形文化遺産でつながる
アジアの芸能

 ニャーニャックとは

ニャーニャックは、ベトナムの古都フエに継承される宮廷雅楽です。
15世紀より黎朝の時代に発展し、阮朝の時代には高度に体系化され、宮廷音楽としての地位を確立しました。

ニャーニャックは、器楽演奏、歌、踊りで構成され、演者がきらびやかな衣装をまとうのも特徴の一つです。

20世紀には、阮朝の滅亡と数十年にわたる戦争により消滅の危機に瀕しましたが、残存した少数の宮廷音楽家により維持された結果、世界的にその価値が再評価され、2008年、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載されました。現在も復興・継承活動が行われています。

 

 

 

演目紹介「フー・ルック・ディック」 

制 作:The Theatre Of Hue Traditional And Royal Art

演 奏: The Theatre Of Hue Traditional And Royal Art

撮影年:2021年

会 場:ズイェット・ティ・ドゥオン伝統劇場

 

演奏曲は「Phu Luc Dich」という、ニャーニャックの中でも「ティエウニャック(小楽)」に属するものです。ティエウニャックは穏やかな響きが特徴で、この曲は陽気で明るい旋律のため、よく慶事の際に演奏されていました。Phu Luc Dichの「Dich」は笛を意味し、ここでは竹製の笛が主に使われています。フエ宮廷伝統芸術劇場のオーケストラと才能豊かな演奏家による演奏です。