研修修了生メッセージ

組踊研修修了生からのメッセージ


町田 倫士(まちだ のりと)
第五期組踊研修生(平成29年4月~令和2年3月)
地方(箏)


○組踊の世界に入ろうと思った動機を教えてください。


組踊研修に応募するまで、⾒たことある組踊は「執⼼鐘⼊」くらいで、趣味として三線や箏をやっていました。 ⼤学2年の頃、師匠からの勧めで組踊研修の存在を知り、「好きな芸能を同世代と⼀緒に学べる」という点に魅⼒を感じ挑戦しました。

○組踊の魅力を教えてください。


現代にも通じるテーマや、⼈間の普遍的な感情が描かれているところです。物語の時代背景や社会制度など現代と異なる点は多くありますが、親⼦の情愛や、互いを思いやる気持ちなど、⼼が動かされる場⾯が多くあります。「古典だから守らないといけないもの」ではなく、今を⽣きる現代⼈の感覚で楽しめるところも組踊の⼤きな魅⼒の一つです。

○研修中一番印象に残っていることを教えてください。


当時、講師を担当なさっていた安⾥ヒロ⼦先⽣が、演目や琉歌の解説をしながら「やっぱり親孝⾏しないといけないねー」「目上を敬う⼼は⼤切だねー」など、組踊を通して「⼈としての在り⽅」を教えてくれたのが印象的です。また「芸能をやる上で⼤切なのは、技芸の向上はもちろん、⼈間性だよ」という⾔葉も⼼に強く残っています。

○組踊研修生に応募を考えている皆さんへメッセージをお願いします。


今だからこそ⾔えますが、組踊の「く」の字も知らずに研修に⼊りました。ですが、組踊研修の3年間を通して、芸能への向き合い⽅が変わり、「⾃分たちが沖縄の伝統芸能を担っていくんだ」という使命感が⾃然と備わっていったように思います。あまり難しく考えずに、沖縄の歌や踊り、芸能が好きという気持ちがあれば⼤丈夫です︕⼀緒に舞台に⽴ちましょう︕