研修修了生メッセージ

組踊研修修了生からのメッセージ


田口 博章(たぐち ひろあき)
第2期組踊研修生(平成20年4月~23年3月)
立方


○組踊の世界に入ろうと思った動機を教えてください。


幼少の頃から琉球舞踊を習っており、ときたま子役として猿の役や、きやうちやこ持として出演させていただきましたが、その頃は組踊が何なのかもよく分からず、言われるがまま出演していました。その後、沖縄県立芸術大学へ進学し、琉球舞踊と組踊を深く学ぶことができました。 次第に組踊へ触れる機会も増え、第一期組踊研修生の発表会に4回賛助出演として出演させていただきました。 その発表会へ向けての稽古のたびに、「私も研修生のように組踊をしっかり学びたい」と思うようになり、第二期組踊研修生への応募を決意しました。

○組踊の魅力を教えてください。


一言で言うと、琉球古典芸能の総合芸術であるところです。 舞踊(所作)・台詞・古典音楽の三つの要素からなる組踊は、どれが欠けてもいけない重要な役割があります。 立方と地方の息がピッタリ合い、三要素がうまくいくと、見ている観客に感動を与えることができる素晴らしい歌舞劇だと私は思います。 また、演者の立場としては、やればやるほど難しい奥深いところも魅力の一つではないかと考えています。

○研修中一番印象に残っていることを教えてください。


立方は全役の台詞所作、地方は全曲の習得を人間国宝の先生をはじめ、素晴らしい先生方から事細かく指導していただけたことです。 また、一緒に学ぶ仲間(研修生)達と支え合いながら学ぶことができました。 なかなか普段学ぶことが出来ない発声訓練や身体訓練、また茶道や舞台扮装、いろいろな講義、県外研修など大変印象的で勉強になりました。

○組踊研修生に応募を考えている皆さんへメッセージをお願いします。


将来組踊で第一線を目指している方にはピッタリな制度です。 中途半端な気持ちで受けると、あまり習得もできずただ長い三年間を過ごすことになると思います。 しかし、目標をしっかり持ち、何事にも素直な気持ちで真剣に取り組めば、他では得ることが出来ない多くの事を習得でき、あっという間の三年間になると思います。 是非このチャンスを生かし、素晴らしい組踊実演家を目指してみてはいかがでしょうか。